高齢化した村ゆかりの企業や団体が協力し、高齢者の見守り体制を強化　山形村が企業など１１団体と連携へ

山形村が高齢者の見守り体制強化　企業など１１団体と連携へ

　山形村と村にゆかりのある企業や団体が協力し合って、地域の高齢者を見守る「いちいくらしネットワーク」の構築が進んでいる。
店舗で接客したり商品を配達したりといった仕事に携わる人たちが、手助けの必要な高齢者を見つけた場合、村に連絡する。
連絡会議を開いて、互いの取り組みなどの情報を交換していく考えもある。

　企業のスタッフなどが高齢者の「異変」を見つけた場合、村に連絡するのが基本的な機能だ。
道端で長時間にわたって座り込んでいたり、何らかのトラブルに関係してしまったりといった事態での活用を想定する。

　村は８月上旬に、コープながの（長野市）と関連の協定を結んだ。
９月から１０月にかけて、村内に拠点がある企業や住民団体など１１団体とも協定を締結する考えだ。

　個々の事業者にとっては、本来の仕事の範囲を外れる事案だったり、個人情報を保護したりするといった事情で、
どこまで立ち入れるのか迷う事案があり得る。
ネットワークがあることで村が察知でき、問題が放置されることなく、解決につながるようになると期待される。

　村と参加企業・団体による情報交換の場にもなる。村は年に１回は連絡会議を開いていく考えで、
特殊詐欺被害の防止に役立った接遇方法などを教え合ったり、複数の企業・団体による事業を考えたりする場に育てていく。

　「いつまでも」「ちいきで」「いきいきと」という言葉の最初の１文字を連ねた「いちい」と、村木のイチイとを重ねて、ネットワークの目的を示す。
参加企業・団体の窓口などに置いてもらう卓上のぼり旗などを用意して、村民への周知も図る。

　地域で暮らしていけるという安心感を高齢者に持ってもらう一方、安定した利用があることで地域の店舗なども存続していくといった、
地域の誰もが利益を得られる関係が理想だ。村保健福祉課の担当者は「地域全体で高齢者を見守る仕組みをつくっていきたい」と話している。

https://www.shimintimes.co.jp/news/2020/09/post-11141.php

参加企業・団体の窓口などに卓上のぼり旗