【北海道】大樹町のベンチャー企業、ロケット事業を地元企業に説明「すそ野広がることを期待」

十勝の大樹町で民間ロケットの開発を進めるベンチャー企業との取り引き拡大を進めようと、地元の企業を対象にした説明会が初めて開かれました。

説明会は大樹町の宇宙ベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」の事業について地元企業に知ってもらい、取り引きの拡大を図ろうと十勝総合振興局が初めて開きました。
説明会には金属加工メーカーや機械メーカーなど十勝地方の２１社が参加し、インターステラテクノロジズの担当者が事業内容について説明しました。
担当者はロケットの部品のほとんどは本州の企業や自社で製造しているとした上で、開発のスピードを上げるためにも部品の製造や地上設備の整備を道内企業と協力して行いたいと述べました。
このあと発射場でロケット「ＭＯＭＯ７号機」が公開され、参加者たちは材質や構造などについて質問していました。
説明会に参加した芽室町の精密機器メーカーの担当者は「思っていた以上の高い技術力に驚きました。お手伝いできることは多くないかもしれませんが、同じ技術者として交流を深めていきたいです」と話していました。
インターステラテクノロジズの稲川貴大社長は「本州の会社だとコミュニケーションや輸送で苦労することもあり、道内の企業との連携に期待したい」と話していました。

【“すそ野広がること期待”】
芽室町にある精密機器メーカー「安西製作所」は、技術者で副支店長の前田好晴さんが説明会に参加しました。
メーカーは大豆や小豆などの豆類や小麦などの作物の品質を見極めて選別する「選別機」を専門に製造していて、農業が盛んな十勝地方にビジネスチャンスを見込んでおよそ３０年前に芽室町に進出しました。
現在の取引先は農協などが中心で、製造した選別機のおよそ８割は道内に出荷し、十勝地方でのシェアはトップだということです。
このメーカーはこれまで宇宙関連企業との取り引きはありませんが、地元の十勝地方でロケットの製造や打ち上げを行うインターステラテクノロジズの取り組みに関心を寄せていたということです。
今回の説明会をきっかけに、ベンチャー企業の事業や求める技術などのニーズを十勝地方の企業が知ることで連携が深まり、地元で宇宙関連産業に関わる企業のすそ野が広がることを期待しています。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20201015/7000025734.html

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