イーロン・マスクの息子たち「ツイッター買収してわざわざ揉め事呼び込んでどうすんの？あと家族写真を勝手にアップすんな」

　ちなみにXくんの上には、元妻の子どもが5人いる。マスクは、ときには彼らに仕事の話もしたりする。

　ツイッター買収が決まった時期に、息子4人と食事をしたときのことだ。ツイッターをあまり使わない世代の子どもたちは、マスクが買収しようとする理由が理解できなかった。
子どもたちからの質問の端々からは、ツイッターを買っても……との思いが伝わってくる。マスクは、デジタル空間における公共性を力説したのち、こう加えた。

「そうじゃなきゃ、2024年のトランプ再選なんてまず無理だろう？」

　これはマスク一流の際どいジョークなのだが、子どもたちは真意が分からず、ぎょっとなったという。

「冗談だよ、冗談」

　マスクが笑って、ようやく本当の冗談だと伝わった。夕食が終わる頃、子どもたちもツイッター買収の理由を基本的に理解したが、納得はしていなかった。

「なにもわざわざいざこざを呼び込まなくても、と思ったようです」
　とマスクは言う。もちろん、子どもたちが正しい。ついでに言えば、父親がわざわざいざこざを呼び込むタイプであることも、子どもたちは分かっていた。

　また、仕事で修羅場が発生したときも、子どもたちの存在に頼ることがある。

　ツイッター騒動で大変だったときには、元妻とのあいだの息子4人と、グライムスとXを伴い、スペインで休暇を取ることにしたのだ。2～3週間をスペインで過ごしたあと、マスクと息子4人はローマへ行き、教皇に拝謁をたまわった。

　その様子をマスクがツイッターに投稿したのだが、それは悲惨な写真だった。マスクのスーツは体に合ってないし、子どものひとりは身をよじらせてるし、ほかの3人も黒いシャツで暗い雰囲気だった（マスク本人も「ひっどいスーツ着てるよね」と認めている）。

　翌朝、マスクがツイッターに投稿したことを知った子どもたちは怒った。泣いてしまった子もいる。子どもたちとマスクは、旅行中もグループチャットでやり取りをするのだが、そのやりとりのなかで、許可なく自分たちの写真をツイートするのはやめてくれという話も出た。

　マスクはいじけて、チャットから出ていってしまったという。

https://bunshun.jp/articles/-/65829