高裁「一般道を制限の倍の97kmで走行しハンドルブレーキ操作誤り2人殺したが危険運転ではない」

５人死傷事故差し戻し裁判 過失運転致死傷で懲役５年
03月22日　18時09分　

https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20210322/1090009243.html

５年前、宇都宮市の国道で制限速度を超えるスピードで車を運転して事故を起こし、同乗者２人を死亡させたなどとして起訴された２９歳の女に対するやり直しの裁判で、宇都宮地方裁判所は、「進行の制御が困難な高速度とはいえないが、事故の結果は重大で、悪質である」などとして過失運転致死傷の罪で懲役５年の判決を言い渡しました。

平成２８年６月、宇都宮市の国道で乗用車が道路脇のガードパイプに衝突し、車に乗っていた５人のうち、２人が死亡、３人がけがをした事故で、中村舜希被告（２９）は、制限速度の５０キロを超える９５キロから１０５キロのスピードで乗用車を運転して事故を起こしたとして危険運転致死傷の罪に問われました。
１審は危険運転致死傷の罪が成立するとして懲役７年の判決を言い渡しましたが、２審の東京高等裁判所は審理が尽くされていないとして裁判をやり直すよう命じ、宇都宮地方裁判所で改めて１審が行われていました。
２２日の判決で、岡田健彦裁判長は、「車の進行制御が困難な高速度であったと認定することはできず、故意も認められないので、危険運転致死傷罪の成立は認められない」と指摘しました。
そのうえで、「高速度を意図的に出して、重大事故を引き起こす可能性の高い運転を行った点でそもそも悪質である」として過失運転致死傷の罪を適用し、懲役９年の求刑に対し、懲役５年の判決を言い渡しました。