【AI】AMDがNVIDIAに勝つのはまだ全然無理っぽい…

なぜOpenAIはAMDを選んだのか？49億ドル買収で挑むNVIDIA「独占」の高すぎる壁

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圧倒的格差が示すNVIDIA王座の堅固さ

積極的な買収戦略とOpenAIとの提携で攻勢をかけるAMDだが、市場シェアの現実は依然として厳しい。データセンターGPU市場におけるNVIDIAの支配は、まさに「独占」と呼ぶにふさわしい状況だ。

2024年末時点で、NVIDIAはAI/機械学習ワークロード向けデータセンターGPU市場の約92％を占有している。この数字は前年とほぼ変わらず、同社の圧倒的優位が揺るがないことを示している。より広範なディスクリートGPU市場でも、2025年第1四半期にNVIDIAは史上最高となる92％のシェアを記録し、AMDをわずか8％まで押し下げた。

対照的に、AMDのAI/データセンターGPU市場シェアは3～4％程度にとどまる。2023年後半から2024年にかけてInstinct MI250/MI300シリーズの需要が急増したものの、市場シェアの上昇は前年比でわずか1ポイント程度。絶対数で見ると、NVIDIAは依然としてAMDの5～6倍のAI GPUを年間出荷している状況だ。

大手クラウド事業者の調達状況を見ると、NVIDIAの優位性がより鮮明になる。調査会社Omdiaによれば、2024年に世界最大のAIクラウド顧客であるマイクロソフトが購入した58万1000個のAI GPUのうち、約84％がNVIDIA製で、AMD製は16％（約9万7000個）にすぎなかった。

注目すべき例外がメタだ。同社はAMDのMI300Xを積極的に採用し、2024年のAI GPU調達においてAMDが43％（AMD17万3000個対NVIDIA22万4000個）を占めた。これはAMDにとって重要な初期の勝利といえるが、それでもNVIDIAが過半数（57％）を供給している事実は変わらない。オラクルもAMDを試験的に導入。16万3000個のAI GPUのうち約23％がAMD製だったが、その他の大手クラウドおよびエンタープライズ顧客はほぼ完全にNVIDIAに依存している。

市場の実態を端的に表すのが売上高の差だ。AMDのリサ・スーCEOは、2024年のデータセンターAI売上高が「50億ドル超」になると述べているが、NVIDIAは2024年第4四半期だけでその3倍以上のデータセンター収益を計上。生成AI需要の爆発的増加により、NVIDIAの全体収益は通年で前年比147％増という驚異的な成長を記録した。

業界アナリストの見解も厳しい。NVIDIAのCUDA開発者エコシステムは「同社最大の堀」と評され、近い将来に支配的地位を失う可能性は低いとされる。ウォール街のコンセンサスでは、今後数年間でAMDが獲得できるAI半導体市場シェアは「比較的小さな割合（一桁台）」にとどまるとの予測が大勢を占める。