野球ライター阿佐智さん「田澤はルールを破った」

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厳しいとは思いますが、既存のルールを破った人間が公式の場でいうことではないと思います。
日本の野球は決してMLBの育成組織ではありません。日本のアマチュア球界もNPB のファームでは決してないが故に、プロアマ間のルールを長年にわたり培ってきました。
そういう歴史的経緯をある意味無視してまでもメジャーに挑戦するのも時代の流れでしょう。そのこと自体にもの申すつもりはないですが、そのルールを破ったならば、それなりのペナルティーがあってとうぜんです。
個人の思いはともかく、公式の場でそのようなことはいうべきではないでしょう。

まず、田澤純一は何にひとつルールは破っていないことをはじめに認識しなければならない。ドラフト1位での競合入札は確実と目された逸材が、まさかメジャー･リーグ入りを考えていたとは……。驚いた12球団が集まり、今後もこのようなケースが出ないようにと急ごしらえしたのが、いわゆる田澤ルールだ。高卒3年、大学と社会人は2年と根拠のない契約禁止期間を設けたことからも、ルールというよりは田澤の考えに対する腹いせに過ぎない。では、そのルールは金の卵がメジャー･リーグへ流失しないための抑止力となったのか。いや、田澤のような選手はそう簡単には出ないものだとわかっただけだろう。就職の際にNPB社ではなくMLB社を選んだ田澤が、NPB社から散々嫌がらせをされても、今後の選手のためにルールの見直しを遠回しに訴える。さて、NPBは何かアクションを起こすだろうか。