コロナ禍の長期化で企業の体力消耗　景気「二番底」の懸念

新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の再発出に伴い、個人消費の落ち込みが加速し、日本の景気が「二番底」に沈む恐れが出ている。政府は経済活動の影響を抑えるため、対象地域を1都3県に絞り、飲食店を中心に営業時間短縮を要請。昨春の緊急事態宣言と比べると対象は限定的で、経済の打撃は小さくなるという見方もある。ただ、長引くコロナ禍で企業の体力は消耗し、経済の専門家は「期間や対象が拡大すれば、倒産や失業が増えかねない」とみる。

　三菱UFJリサーチ＆コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、今回の宣言で、2021年の実質国内総生産（GDP）の個人消費は2・7兆円失われると試算する。1～3月期のGDPは、前期比で年率2・5％減のマイナス成長を見込む。「景気に配慮して政府の決断が遅れ、かえって景気を悪化させることになった」と指摘する。

　昨年4～5月の宣言は7都府県で始まり、全国に拡大。政府は飲食業に限らず、映画館や百貨店など幅広く休業や時短営業を求め、経済活動の大幅な停滞を招いた。4～6月期のGDPは前期比約28％減で、戦後最大の落ち込みとなった。

　こうした経験を教訓に、政府は今回、経済への影響を念頭に置いた。営業制限は1都3県の飲食店に的を絞っており、全国を対象とした場合と比べ、消費の落ち込みは「3割程度になる」とみる向きもある。

　ただ、コロナ禍の長期化で企業や事業者は疲弊している。帝国データバンクによると、20年の居酒屋経営業者の倒産は189件で過去最多となった。政府は今回、要請に応じた飲食店への協力金の上限を6万円に引き上げ、他業種にも無利子・無担保融資や雇用調整助成金の支援を継続するが、エコノミストは「返済の目途がない債務は増やせない。諦めムードが広がりかねない」と分析する。事業の縮小や廃業、倒産が急拡大すれば、失業が増加する恐れもあるという。

　もっとも、景気に配慮しすぎれば、経済活動を強く抑制できず、感染抑止効果が薄れる懸念もある。大和総研の神田慶司シニアエコノミストは「地域の拡大や期間の長期化が実施されれば、景気の腰折れリスクは急速に高まる」と警鐘を鳴らす。　（中野雄策）

西日本新聞　2021/1/8 8:00
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/679851/

それでもまだ来期はもつ
再来期の目処が立たなきゃ潰れる会社続出、街に失業者溢れてヒャッハーの世界になるぞ

なんなんですこれ？