【新型コロナ】千葉・旭にサーファー集中　波求めて北上か　市、地元団体　駐車場閉め自粛要請

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、九十九里浜沿岸にある各地の自治体にサーファーの来訪自粛を求める動きが広がる中、一部のサーファーが九十九里浜の北端に当たる旭市に集中している。市民から感染を不安視する声があるといい、市は既に管理する海岸の駐車場を閉鎖。21日には地元サーファー団体、サーフショップと連名で遠方から訪れる「ビジターサーファー」に来訪自粛を呼び掛ける要請文を出した。

　同市と周辺地域のサーファーらが加盟する「日本サーフィン連盟千葉銚子支部」、市内のサーフショップ4店が来訪自粛を要請。「誰でも楽しく遊べる旭市の海が取り戻せるよう、地元サーファーも自粛している」とし、市外から海岸に来ないよう呼び掛ける文章を連名で市ホームページに掲載した。

　「海辺に多くの車が密集し、濃厚接触にならないか不安。遠くからレジャーに来るのは終息するまで待ってほしい」。こう訴えるのは、地元サーフショップ「ゴロデーサーフハウス」オーナーの関口常男さん（66）だ。

　関口さんらによると、緊急事態宣言後に他県や県内他地域のナンバーの車で来るサーファーが増加し、住民から不安の声が上がっているという。「一部のサーファーが駐車場の閉鎖や自粛の声明が出された地域を避けた結果、旭市に“北上”したのでは」とみる。

　同店は40年ほど前に開業し、36年前に海辺の現在地に移転したが、2011年の東日本大震災の津波で全壊した。車庫の仮店舗で営業を続け、2年後には店舗の建て替えにこぎ着けた。「多くのサーファーに支えられてきた」とする妻の邦子さん（60）は「震災後、最初に戻ってきたのはサーファーで、地域にも受け入れられてきた。サーファーと住民との関係を新型コロナで壊したくない」と訴える。

　同店では常連客にも自粛を呼び掛けており「厳しい状況だが、我慢している」と関口さん。「震災の時は復興に向かって前を向いていたが、今回はどうなってしまうか不安」と吐露し「外出自粛が成果を上げ、一日も早く終息することを願う」と話した。

4/22(水) 12:13配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/1dae4afd69c03e09e6a149faa7ce5451ef1c7086