【米ツイッター】トランプ氏との「痛み覚悟」の戦い　ウォール・ストリート・ジャーナル

ツイッター、トランプ氏との「痛み覚悟」の戦い

By Laura Forman and Dan Gallagher
2020 年 5 月 30 日 04:15 JST

　ドナルド・トランプ米大統領は、現在のソーシャルメディアの在り方を変えることには成功しないかもしれないが、ソーシャルディスタンス（対人距離の確保）の時代に恩恵を受けているこの業界に雨を降らせることはできるかもしれない。

　新型コロナウイルスの流行を受けて、足元ではソーシャルメディアの利用が急増している。ユーザーがニュースや人との会話を切実に求めているためだ。一方で、コロナにより、かねてSNS（交流サイト）大手のフェイスブックとツイッターに求められていたプラットフォーム上の偽情報対策の切迫性も高まった。だが、この2社は板挟みになっているようだ。つまり「やっても責められ、やらなくても責められる」ジレンマを抱えている。

　ツイッターがトランプ氏の投稿に事実確認の注記を加えると、トランプ氏はまず、一連のツイートを連発し、皮肉を込めて反撃に出た。その後、28日遅くには、ソーシャルメディアの在り方について大幅な変更を迫る大統領令に署名した。大統領令はユーザーの投稿コンテンツに関するソーシャルメディア企業の免責を定めた「通信品位法（第230条）」に関して、事実上の見直しを迫る内容だ。

　この大統領令が、不可避とみられる法廷での争いで生き残れるとの見方は少ない。例えば、大統領令では、第230条を明確にするよう米連邦通信委員会（FCC）に要請することを司法省に求めている。だが、FCC委員5人のうち少なくとも1人は、大統領令は「機能しない」との考えを示している。これについては、ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）が報じている。

　大統領令の実効性には疑問符がついており、差し迫った影響もないが、一方でソーシャルメディアのプラットフォームに、なお何らかの痛みをもたらす可能性がある。

https://jp.wsj.com/articles/SB11154908543281353637404586414383860105732